前田健人が語る「長く続く経営」の4つの理由・アイキャッチ

なぜ僕の会社は「5年の壁」を越えられたのか。前田健人が語る「長く続く経営」の4つの理由

起業した人のうち、5年後も事業を続けられているのは半分ほどだと言われます。ある程度の規模の法人に限っても、5社に1社は5年以内に市場から姿を消していく。

そんな中で、僕が立ち上げた株式会社Ambitious Divaは、起業の関門と言われる「5年の壁」をすでに越えて、今も走り続けています。

こう書くと「何か特別な必勝法があったんですか」と聞かれそうですが、答えはノーです。振り返ってみると、そこにあったのは派手な戦略ではなく、地味な原則でした。株式会社Ambitious Diva代表の僕、前田健人が、会社を続けてこられた理由を、包み隠さずお話しします。

理由1:常に変化する。苦手なことは、その場で人に聞く

僕はコンサル生の成長を見るのが大好きです。でも、その根っこにあるのは、そもそも僕自身が成長するのが好きだということです。

正直に言います。営業は得意ですが、会計周りをはじめ、苦手なことはたくさんあります。そして僕は、苦手なことを苦手なまま抱え込みません。知らないことが出てきたら、その場で周りの詳しい人に聞きます。

世の中は日々変化していて、すべてを一人で把握しきることは誰にもできません。それなら、知らないことを恥じて隠すより、聞いて自分のものにしたほうが圧倒的に速い。人に聞くたびに、僕の中に新しい引き出しが増えていきます。

そして、僕が成長すれば、僕に会ってくれる人に提供できる価値も増えます。半年前に会ったときの僕と、今日会った僕が同じでは、相手に新しい魅力は伝わりません。会うたびに変わっている人間だからこそ、また会いたいと思ってもらえる。

経営が止まるときは、たいてい経営者の学びが止まったときです。市場が変わり続ける以上、変わらない会社から順に置いていかれます。僕がここまで走り続けてこられたのは、成長し続けることを楽しめたからだと思っています。

理由2:身の丈に合った生活をする。キャッシュは会社の命綱

以前の対談でお話ししたとおり、僕は時計を「資産」として見ています。1,000万円で買った時計が数年後に1,500万円で売れることがある。価値を所有しながら、その恩恵を実質無料で受けられるわけです。

とはいえ、です。資産価値を第一に考えて買い物を重ねると、手元のキャッシュは確実に減っていきます。会社が倒れるのは、利益が出なくなった瞬間ではありません。現金が尽きた瞬間です。だからこそ、どれだけ資産として合理的な買い物であっても、手元に一定量のキャッシュを確保しておくことを優先する。この順番だけは、創業以来崩したことがありません。

それに、派手な生活をしようと思えばいくらでもできますが、そこには際限がありません。いくらお腹いっぱいご飯を食べて満足しても、翌日にはまたお腹が空きます。欲望を満たすことでは、満足は一日しか続かないんです。

だったら、生活は身の丈に合わせて、余力は会社と周りの人に回したほうがいい。地味に聞こえるかもしれませんが、これが今日まで、資金繰りで追い込まれずに済んだ一番の理由です。

理由3:やりたいことをやる。世間の「正解」に流されない

理由2と逆のことを言いたいわけではありません。ここで言いたいのは、世の中の常識や周りの声に流されないということです。

事業を立ち上げたら、どんどん売上を拡大して、従業員を増やして、いずれは上場して──。それを目指す経営者は多いと思いますし、その道を否定する気もありません。

ただ、僕は仕事が大好きですが、その道は目指しません。

僕にとって大事なのは、僕と、僕の周りにいる人たちが幸せになることです。世間の「正解」に流されて規模を追いかけ始めると、本当にやりたいことができなくなります。やりたくないことのために働く時間が増えれば、事業に向かうモチベーションは確実に下がる。そしてモチベーションを失った経営者の会社は、続きません。

会社を続けるうえで一番のリスクは、市場でも競合でもなく、経営者自身が仕事をつまらなくしてしまうことだと僕は思っています。だから僕は、これからも楽しく仕事をしていきます。

理由4:収益の柱を、一本に絞らない

もう一つ、構造的な理由も挙げておきます。僕は現在、7つの事業を同時に展開しています。

柱が一本しかない会社は、その市場に何かが起きた瞬間に会社ごと傾きます。実際、この数年の間にも、世の中の環境は何度も大きく変わりました。それでも僕の会社が揺らがなかったのは、一つの柱が細った時期に、別の柱が会社を支えてくれたからです。

そしてこれは、理由1とつながっています。新しい柱を立てるたびに、僕は知らない業界のことを人に聞き、学び、成長する。一つの業界で積んだ信用が、次の業界への入場券になる。変化し続けることと、柱を増やすことは、僕の中では同じ一つの動きなんです。

結びに代えて:会社を続けることは、日々の選択の積み重ねだ

「5年の壁」は、僕にとってゴールではなく、ただの通過点です。

変化し続けること。身の丈に合った生活をして、キャッシュを守ること。世間に流されず、やりたいことをやること。柱を一本に絞らないこと。

どれも、特別な才能が要ることではありません。明日からでも真似できることばかりです。でも、この地味な選択を毎日積み重ねられるかどうかが、5年で消える会社と、その先も続く会社を分けるのだと思います。

僕はこれからも、僕と僕の周りの人たちが幸せでいられる会社を、楽しみながら続けていきます。

あなたの会社の5年後は、今日のあなたの選択が決めます。共に、楽しく続けていきましょう!